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国際税務Vol.29 国際観光旅客税の創設~海外旅行の実質的値上げ~

国際観光旅客税の創設

国際税務Vol.29

~海外旅行の実質的値上げ~

 

こんにちは。SUパートナーズ税理士法人の木下です。

 

2019年度より、出国する際に国際観光旅客税を払う必要があります。

国を出るだけで税金?どれだけ取られるの?と気になる点もあると思いますので、

確認していきましょう。

 

国際観光旅客税とは

昨今のインバウンドの拡大や、東京オリンピック等の開催を踏まえ、

より高次元の観光施策に充てる財源を確保するために創設された税金となります。

2019年度において、60億円の税収が見込まれております。

 

税金はいくら?

国際観光旅客税は一回の出国につき1,000円となります。

出国の目的や、利用する航空会社、日本人外国人問わず、

日本の国から航空機又は船舶により出国する場合に発生致します。

 

非課税

ただし、すべての人が税金を払うわけではありません。

例えば

・2歳未満の者

・日本での乗継客(入国後24時間以内に出国)

・天候等の理由により再入国した場合

・航空機等の乗員

などは、非課税となります。

 

納付手続きは必要?

ご自身で納付手続きを行う必要はございません。

国際旅客運送事業者(航空会社など)が国際観光旅客から徴収して、納付いたします。

そのため、チケット代金に上乗せして国際観光旅客税を支払うことになります。

 

ちなみにですが、プライベートジェット等で出国する場合には、ご自身で納付手続きを行う必要があります。

 

国際観光旅客税の使途

国際観光旅客税は観光財源に充てられますが、具体的な使途は毎年の予算書に明記されます。

なお、平成30年度予算では次のようなものとなります。

 

〇最新技術を活用した顔認証ゲートなどの設備

〇デジタルマーケティングの実践

〇訪日観光における新たな観光コンテンツの整備など

 

他国の税金

出国に関する税金は、諸外国でも似たようなものがあります。

例えば、

オーストラリアでは出国旅客に対して、約5,200円の税金で、収入規模は約750億円。

韓国では約1,000円(航空の場合)の税金で、収入規模は約250億円となります。

 

「明日の日本を支える観光ビジョン」では、

訪日外国人旅行者数の目標を2020年に4,000万人、2030年に6,000万人としているので、

今後日本も税収が上がっていくのでしょうか。