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その他Vol.20 規模によって変わる資産損失

規模によって変わる資産損失

その他Vol.20

 

こんにちは。

SUパートナーズ税理士法人の江原です。

 

今回は、災害による資産損失と雑損控除がテーマのSUレターです。

 

災害により不動産の資産に損失を受けた場合には、

業務を行っている規模(事業的規模 or Not)によって取り扱いが異なります

 

◆事業的規模の場合

事業的規模で営んでいる場合には、不動産所得の金額の計算上、

その損失金額の全額を必要経費として計上することができます。

 

損失の金額は次の金額です。

損失の金額=被害直前の被災資産の帳簿価格-A-B-C

A:被害直後の被災資産の時価(残存価格のこと)

B:廃材等の売却収入(廃材が売れれば、その金額のこと)

C:保険金等の金額(保険金が下りれば、その金額のこと)

 

また、その損失を給与所得や事業所得など、他の所得と損益を通算しても

なお控除しきれなかった損失の金額がある場合には、

確定申告書の提出を要件に、

青色申告書と白色申告書と関係なく控除しきれなかった金額を

3年間繰り越すことができます

※事業的規模とは?

一般的には、アパートやマンションなら10室、一戸建なら5戸を

賃貸している場合に、事業的規模である、と判断されます。

 

◆事業的規模以外の場合

賃貸しているのが、一戸や一室など小規模ですと、事業的規模以外となり、

その場合、災害の損失の金額として必要経費に計上できる金額は、

その損失を必要経費に入れる直前のその不動産所得の金額が限度となります。

 

例えば、

損失の金額が100、

損失を考慮する前の不動産所得の金額が30であった場合には、

100ではなく、30が損失の金額として、

必要経費として計上でき、残りの70(100—30)については、

必要経費に計上できず、切り捨てられることになります。

 

したがって、事業的規模以外(不動産所得が少なめ)の場合だと、

必要経費に計上できる金額が少なくなってしまい、

多額の損失を切り捨ててしまうことになります。

 

雑損控除について

上記の他にも、自宅などが災害による被害を受けたときには、

雑損控除を受けることができます。

下記の①の金額から、②の金額を控除した金額が、

不動産所得だけではなく、全ての所得から控除することができます。

 

①被害直前の被災資産の時価または帳簿価格-A-B-C+D

A:被害直後の被災資産の時価(残存価格のこと)

B:廃材等の売却収入(廃材が売れれば、その金額のこと)

C:保険金等の金額(保険金が下りれば、その金額のこと)

D:災害関連支出(後片付け費用など)

 

②※課税標準の合計額×10%

(災害関連支出が5万円を超える場合には、

損失の金額の合計額から災害関連支出の金額のうち

5万円を超える部分の金額を控除した金額と比較して低い金額)

 

雑損控除の簡便法

また、災害による損失の計算が困難な場合には、

次の計算方法でも良いとされています。

 

取得価額が分かる場合

(取得価額-減価償却累計額)×被災割合

取得価額が不明の場合

((1㎡あたりの工事費用×総床面積)-減価償却累計額))×被災割合

 

雑損控除額のうちその年の所得から控除しきれない部分の金額がある場合には、

確定申告書の提出を要件に3年間の繰り越しが認められています

 

雑損控除額は全ての所得から控除できますが、

たくさんの収入源があり所得の多い人については、

②の金額(課税標準の合計額×10%)が多額となり、

控除する金額が生じなくなることもあるため、注意が必要です。

※課税標準の合計額とは

給与所得や不動産所得など、各種所得の金額の合計額を言います。

損失の繰越控除がある場合には、その繰越控除適用後の金額となります。

 

 

被害を受けた時には、様々な事柄にお金が必要となりますので、

必要のない支出を抑えたいですよね。

規模や規定で計算方法が変わるので、どの方法なら支出が低くなるのか、

しっかりと検討する必要がありそうですね。