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相続・事業承継Vol.41    資産管理会社の活用(基礎編)~個人から法人へ~

遺留分に関する民法の特例

~個人から法人へ

相続・事業承継Vol.41

 

こんにちは。SUパートナーズ税理士法人の宮崎です。

 

個人で不動産賃貸をされている方によく質問されるのが、資産管理会社の設立についてです。そこで今回は、資産管理会社を使った節税対策を何回かに分けて紹介します。

まずは、基礎編として、資産管理会社を設立するメリットとデメリット、気をつけるべきポイントを紹介します。いい面もあれば悪い面もありますので、設立する前にしっかり理解することが重要です。

 

〇 会 社 設 立 の 5 つ の メ リ ッ ト

1 高税率の所得税から低税率の法人税へ                                

 個人は、所得税・住民税を合わせると最高税率が約55%ですが、法人税率は最高でも約30%(実効税率)であり低税率です。

 

 2 本人や親族に給与を支給して損金にできる

  本人や親族に給与を支給することで、所得を、会社・本人・親族に分散することができます。所得分散することで、所得税率を高税率から低税率に移転することが可能となります。ただし、給与が過大とされた部分は損金にできません。

 

 3 本人や親族に退職金を支給して損金にできる

   将来、退職金として支給できます。生存退職金でも死亡退職金でも税制上有利な規定を利用することができます。ただし、株主総会の決議のほか、退職金の額が不相当に高額でない必要があります。

 

 4 相続税の節税になる

   個人に蓄積される予定だった資産が会社に移転するため、相続財産が減り、結果として相続税の節税になります。ただし、法人の株主を自身以外の者にする必要があります。

 

 5 有価証券や土地の売却損をほかの所得と通算できる

  個人所得税は、所得が区分されていて、損益を通算できる所得は限られていますが、法人は個人と違ってあらゆる損益を通算できます。

 

〇会社設立の3つのデメリット

1 会社設立に費用がかかる

    定款認証手数料、登記費用などの費用がかかります。

 

 2 会社設立後も維持費用や手間がかかる

    税務申告:法人税、法人住民税、法人事業税など

    税務調査:会社の実態が整っていないと否認される可能性

 

 3 接待費の一部を損金にできない

   個人なら全額経費にできますが、法人は800万円まで損金として認められるだけです。

 

次に、実際に資産管理会社を設立する際に、気を付けるべき3つのポイントを紹介します。

1.株主は子どもにする

  所得税対策よりも相続税対策に主眼をおくことが最も重要です。そのため、出資者は子ども・孫にしましょう。二次相続を考えて妻には出資させないことが大事です。

 しかし、子どもが出資する資金がない場合は、どうすればいいでしょうか。その場合は、前もって、子どもに贈与税の低税率の範囲内で金銭贈与をしておけばいいでしょう。  

 

2.資本金は1000万円未満にする

  ①消費税

   資本金が1000万円以上ですと、強制的に消費税申告が必要とされます。賃貸不動産の種類により、申告に有利不利がありますが、申告の有無を選択できるように、資本金は1000万円未満をお勧めします。

 

  ②法人住民税

   均等割額が最低課税額の7万円(東京都の場合)で済みます。

 

3.シミュレーションをして会社設立を検討する

  不動産収入が年1000万円以下の場合は会社設立が不利な場合がありますので、入念なシミュレーションが必須となります。

 

次回は、資産管理会社の活用(実践編)を紹介する予定です。