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相続・事業承継Vol.57 遺言書って書いた方がいいの?

遺言書って書いた方がいいの?

相続・事業承継Vol.57

こんにちは、三橋です。
終活という言葉も定着してきた昨今ですが、遺言書はお金持ちが書くもの、自分には関係ない、と思っている方も多いかと思います。

1.遺言書を書いた方が良い場合は?

・子供がいない夫婦

 子供がいない場合は配偶者両親、次順位で兄弟姉妹が相続人となります。つまり夫(妻)の死後妻(夫)は義両親若しくは義兄弟姉妹と遺産分割協議をすることになります。
夫の生存中でさえ義理の家族との関係は難しいという方もいるかと思います。いわんや夫の死後に、お金が絡む遺産分割協議…想像するだけで大変そうですよね。
自分の死後の家族が揉めないためにも、遺言書を残してあげたいですね。

内縁者に財産を残したい

 ずっと生活を共にし、死ぬまで寄り添ってくれたとしても、内縁者は相続人になれません。 
自分の死後、内縁の方の生活を考え財産を残したい場合、遺言書で財産を遺贈することができます。

・相続人以外に財産を残したい

 未婚の方で配偶者も子供もいない場合は、相続人は父母→兄弟姉妹の順序になります。可愛い甥姪に直接お金を残したいという場合は遺言書で甥姪に遺贈する旨を記載すると良いでしょう。

・特定の団体に寄付したい

 世界の恵まれない子供のため、出身大学の発展研究のため、長年住んだ自治体のためなど特定の団体に遺贈する遺言もできます。

・財産を指定して相続させたい

 事業を営んでいて後継者に会社の株式を渡したい、住む場所に困らないよう配偶者に家を遺したいなど、特定の財産を指定して相続させたい場合にも遺言書を書くほうが良いでしょう。

2.遺言書の種類、方法

①公正証書遺言

 公証役場において、2人以上の証人立ち合いのもと作成します。公証人への手数料と、証人への謝礼が必要となります。相続手続きをする際に家庭裁判所の検認は不要です。

②自筆証書遺言

 自筆で作成し、署名・押印をします。費用を掛けずに作成できますが、記載事項等の要件を満たさないと無効になってしまいます。相続手続きをする場合は家庭裁判所で検認の手続きが必要ですが、自筆証書遺言保管制度利用した場合は検認不要です。

③秘密証書遺言

 自分で作成した遺言書に封をして公証人役場に持参し、遺言書の存在を証明してもらいます。内容の不備により無効になる可能性もあり、家庭裁判所の検認も必要です。

3.遺留分について

 遺言書は遺留分に配慮した内容にしましょう。遺留分とは最低限相続できる遺産割合のことで、配偶者、子、直系尊属(父母、祖父母)に認められます。遺留分を無視した遺言書に対しては、上記相続人は遺留分侵害額請求をすることにより遺留分を確保することができます。