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相続・事業承継Vol.7 一般社団法人と相続対策?~相続税の不当減少~(第3回)

一般社団法人と相続対策?

相続・事業承継Vol.7

~相続税の不当減少~

 

こんにちは。SUパートナーズ税理士法人の乾です。

5月になりかなり暖かくなりましたね。

ゴールデンウィークはいかがでしたでしょうか?

5月1日、2日を休まれた方は、9連休だったかと思います。

のんびりできて「また頑張ろう!」となりましたでしょうか。

5月の会計事務所はというと、とても忙しい月です。

GWで日がないのもありますし、日本の会社は3月決算が一番多いのが一番の原因です。

しかし、その流行が最近少し変わってきました。

海外を意識して12月への変更が多くなっているのです。

弊社のお客様もその流れがあります。

会計事務所としては、どちらの月も非常に忙しいので、

この偏りは悩ましい限りです。。。

 

さて、今回は前回の一般社団法人に贈与するスキームで最も注意をしなければならない

「相続税の不当減少」とは、について見ていきたいと思います。

 

どのような場合に適用されるのかといいますと、

相続税法と相続税法施行令に記載があります。

 

 

まず66条1項を見てみましょう。

『代表者又は管理者の定めのある人格のない社団又は財団に対し財産の贈与又は遺贈があつた場合においては、当該社団又は財団を個人とみなして、これに贈与税又は相続税を課する。

ここでは一般社団法人について書かれていません。

人格のない社団等という団体への贈与があった場合には、

その団体を個人とみなして贈与税又は相続税を課税すること、を規定しています。

 

そして相続税法66条4項です。

持分の定めのない法人に対し財産の贈与又は遺贈があつた場合において、当該贈与又は遺贈により当該贈与又は遺贈をした者の親族その他これらの者と第六十四条第一項に規定する特別の関係がある者の相続税又は贈与税の負担が不当に減少する結果となると認められるときについて準用する。

単純に説明しますと、

Aさんが一般社団法人に贈与などをした場合に、

Aさんの親族の相続税や贈与税が不当に減少すると税務署が認めるときには

その一般社団法人を個人とみなして贈与税を課税します、

ということです。

 

しかし、具体的にどのような場合が不当に減少することになるのかは不明です。

そこで施行令33条3項を見てみましょう。

ここに具体的な不当な減少の事例が書いてあるのかというと、そうではなく、

逆接的に“このような場合には不当減少には当たらない”として規定されています。

 

ちょっと長ったらしく難しいので、簡便的に要件をタイトルだけ書きだしてみたいと思います。

役員のうち贈与した本人及び親族が占める割合は全体の1/3以下とすること

贈与した本人及び親族に特別の利益を与えないこと

解散した場合に、残余財産は国等へ帰属する旨を決めておくこと

法令違反をしていないこと

いかがでしょう?たった4つだけです。

しかし、①の要件がハードル高いですよね?

 

つまり、第三者もまじえて公益的な活動(例えば文化的な啓蒙活動、慈善事業など)を行ったり、

業界団体としてその業界のための活動を行うなど、個人の枠を超えた公益活動を行わなければ難しいということです。

 

また、この66条4項が怖いのは、当初はこの4つの条件を満たしていても、

運営を行う中で要件を満たさなくなると不当減少の規定が発動するという点です。

従いまして、設立段階、贈与時点、運営段階において十分な注意が必要となりますし、

個別通達にもっと細かい事が記載されていますので、簡単ではありません。

 

相続税がかからない場合というのは、そう簡単ではないということでした。

 

これでもご興味がある方は弊社までご連絡いただければ全面的にサポートさせていただきます!

 

※参考:施行令33条3

 『贈与又は遺贈により財産を取得した法第六十五条第一項 に規定する持分の定めのない法人が、次に掲げる要件を満たすときは、法第六十六条第四項 の相続税又は贈与税の負担が不当に減少する結果となると認められないものとする。

一  その運営組織が適正であるとともに、その寄附行為、定款又は規則において、その役員等のうち親族関係を有する者及びこれらと次に掲げる特殊の関係がある者(次号において「親族等」という。)の数がそれぞれの役員等の数のうちに占める割合は、いずれも三分の一以下とする旨の定めがあること。

イ 当該親族関係を有する役員等と婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者

ロ 当該親族関係を有する役員等の使用人及び使用人以外の者で当該役員等から受ける金銭その他の財産によって生計を維持しているもの

ハ イ又はロに掲げる者の親族でこれらの者と生計を一にしているもの

ニ 当該親族関係を有する役員等及びイからハまでに掲げる者のほか、次に掲げる法人の法人税法第二条第十五号 (定義)に規定する役員((1)において「会社役員」という。)又は使用人である者

(1) 当該親族関係を有する役員等が会社役員となっている他の法人

(2) 当該親族関係を有する役員等及びイからハまでに掲げる者並びにこれらの者と法人税法第二条第十号 に規定する政令で定める特殊の関係のある法人を判定の基礎にした場合に同号 に規定する同族会社に該当する他の法人

二  当該法人に財産の贈与若しくは遺贈をした者、当該法人の設立者、社員若しくは役員等又はこれらの者の親族等に対し、施設の利用、余裕金の運用、解散した場合における財産の帰属、金銭の貸付け、資産の譲渡、給与の支給、役員等の選任その他財産の運用及び事業の運営に関して特別の利益を与えないこと。

三  その寄附行為、定款又は規則において、当該法人が解散した場合にその残余財産が国若しくは地方公共団体又は公益社団法人若しくは公益財団法人その他の公益を目的とする事業を行う法人(持分の定めのないものに限る。)に帰属する旨の定めがあること。

四  当該法人につき法令に違反する事実、その帳簿書類に取引の全部又は一部を隠蔽し、又は仮装して記録又は記載をしている事実その他公益に反する事実がないこと』

 

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